【ファクトチェック】「北海道トマム地区の住民の50%が外国人」は誤り

「トマム地区の住民50%が外国人」は誤り

「北海道トマム地区の住民の50%が外国人であることが判明」という情報が拡散されているが、これは誤りである。

目次

検証対象

10月12日に投稿された「北海道トマム地区の住民の50%が外国人と判明。 しかもほとんど中国人。」との投稿がされ5000以上RTされ拡散されている。

この情報のソースは以下の記事にある「国土買収が進むこうしたエリアでは外国人従業員が増え、ガバナンスへの波及も無視できなくなっています。トマム地区の外国人比率は、50.5%(2019年7月末)。とうとう半数を超えました。」との記載と推測される。

なお、「日本政府は米国総領事館から警告を受ける事態」については検証対象としていない。

検証

現在の占冠村の外国人比率

トマムのある北海道占冠村の2022年9月末時点の住民基本台帳登録数では人口1274人のうち外国人は194人となっている。トマム地区の人口は493人であり、占冠村在住の全外国人がトマム地区に居住していると仮定してもその比率は39.5%となる。よってツイート時点での「トマム地区の住民の50%が外国人と判明」については誤りである。

2019年7月末の占冠村外国人比率について

新潮の記事で指摘されている2019年7月末のデータでは人口1435人うち外国人324人となっている。トマム地区人口632人のため仮に全外国人がトマム地区に居住した場合は51.2%となり、「トマム地区の外国人比率は、50.5%(2019年7月末)」については可能性を否定できない。

2019年7月占冠村外国人人口比率
引用:「広報しむかっぷ」2019年9月号

占冠村の外国人の状況について

占冠村、特にトマム地区はスキーリゾートとして開発が進められており、短期の外国人労働者が多く働いている。そのため、データを参照する上では季節により外国人比率が大きく変動する点に注意が必要である。

占冠村外国人比率
引用:第2期占冠村まち・ひと・しごと創生総合戦略

占冠村の外国人人口に占める中国人は3割

令和2年国勢調査では占冠村の外国人人口に占める国籍別の割合において、中国国籍は31.0%なっている。ツイートで指摘されている「しかもほとんど中国人」の部分については誤りであるといえる。

占冠村の中国人比率
引用:令和2年国勢調査-⼈⼝等基本集計結果からみる我が国の外国⼈⼈⼝の状況-

ファクトチェックの判定

判定

誤り

判定理由

主張の根幹となる事実が誤っている。ただし50%という数値の根拠となる報道があり、”事実でないと知りながら伝えた疑い”は低いと思われるため虚偽判定とはしない。

この記事はFIJのレーティング基準に基づいて作成しております。

「トマム地区の住民50%が外国人」は誤り

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次